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システム
デザイン
シンキングシステムデザインシンキングそれぞれのシステムは、それ自体が無限にシステムを内包している。

「風が吹けば桶屋が儲かる」。日本人なら誰でも知っていることわざで、あることが原因となり、それと一見まったく関係のない場所や物事に影響を与えることを意味します。
新たなビジネスやデザインを考えるときに、自分のすでに知っているものごとを組み合わせるだけではなかなかイノベーションは生まれません。しかし、一見関係のない要素を結びつけると、それまで想像もできなかった発想が生まれます。システムデザインシンキングとはまさに、風と桶の結びつきをデザインする手法なのです。
経営学においては、バリューチェーン(価値連鎖)という概念がよく用いられます。これは、企業活動とは、原材料に対して、製造、流通といった各プロセスにおいて価値を付加していくことで利益を得ることである、という考えをあらわしています。バリューチェーンの考え方においては、明確に区切られたそれぞれのプロセスを操作することで、価値の最大化を目指します。しかしこれは、ひとつひとつのプロセスを独立し、閉じたものとして考えてしまいます。
一方でシステムデザインシンキングはプロセス間の関係性そのものをデザインする考え方で、プロセス全体を再構築することを可能にします。それにより、既存の価値観に縛られない発想を生みます。
このようなデザインプロセスを用いた例として、アメリカのデザイナーCharles and Ray Eamesによる住宅があげられます。彼らは家族の行動や建材の生産工程といった様々な要素を結びつけることによって、新たな住宅モデルを提案しました。